« 2007年06月 | メイン | 2007年12月 »
2007年11月08日
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって肝臓が炎症をおこす病気です。このウイルスは血液を介して感染し、ほとんどの場合慢性肝炎になり、放っておくとさらに進行して肝硬変を経て高い確率で肝臓ガンになります。
慢性肝炎の状態では生命に危険がおきることはなく、継続的な治療に時間をとられることをのぞけば健康人と同じ生活が出来ますが、肝臓ガンが発生したり、肝硬変が進行して肝不全を引き起こしたりすると生命の危険がせまってきます。
従って、C型肝炎の治療はいかにしてこのような状態にならないようにするかということが目標になります。
そのためには肝臓の炎症の原因になるウイルスを駆除することが望ましいのですが、それが不可能な場合は肝臓の炎症をおさえて病気の進行をとどめることが必要です。
感染経路としては、輸血、最近話題になっている血液製剤のほか、針を変えずに複数の人に注射した予防接種などがあり、これが日本でC型肝炎が蔓延した大きな原因の一つと考えられます。この点からC型肝炎は一般に医原病と考えることが出来ます。
現在では、このような経路はまずなく、いれずみ、麻薬の回し打ちなどがほとんどで、普通の生活で感染することはありません。ただし、C型肝炎ウィルスをもっている人(キャリア)の血液が傷などから体内にはいると感染します。従って、そのようなおそれのあったときは傷口をすぐに水でよく洗い流してください。また、キャリアの人は出血は必ず自分で処理し他人にふれさせないよう気をつけて下さい。
C型慢性肝炎は軽い肝炎のまま経過するケースもありますが、約7割は徐々に病気が進行し、治療しないと10~30年でその3~4割が肝硬変、さらに肝がんに移行するといわれています。長期間の炎症で肝臓の細胞が壊れ、それを埋める形で線維成分が増加し、肝臓が硬くなってしまう状態が肝硬変です。肝硬変になると肝がんが発生しやすくなるだけでなく、食道静脈瘤の破裂や肝性脳症など、生命に関わる重大な合併症が起こりやすくなります。
わが国でのC型慢性肝炎の患者さんは、肝炎症状のない持続感染者(キャリア)を含めると150万~200万人いると推測されています。
年齢は40歳代以上に多く、C型肝炎ウイルス対策が講じられる以前の輸血などの医療行為による感染が背景にあることを示しています。しかし医療機関で何らかの治療を受けている人は50万人にすぎず、残りの100万~150万人の中には自分がC型肝炎ウイルスに感染していることに気づいていない人もいる可能性があります。
主役はウイルスの増殖を抑える働きを持つインターフェロンです。C型肝炎ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指します。いくつかの種類がありますが、いずれも注射剤です。最近では週1回の注射で優れた効果を示すペグインターフェロンという新しい製剤も登場しています。リバビリンは単独で使用しても効果がありませんが、インターフェロン、ペグインターフェロンとの併用でウイルス排除効果を飛躍的に高める内服薬です。
慢性肝炎から肝硬変、肝がんへの進行を阻止するには、インターフェロンを中心とした原因療法で肝炎を完治させてしまうことが第一選択ですが、それが困難であれば、次に肝機能〔AST(GOT)、ALT(GPT)〕をできるだけ正常に近づけることを目指します。
ウイルスが排除できなくても、AST(GOT)、 ALT(GPT)を長期間できるだけ低い値に保つことができれば肝がんの発生リスクを軽減できることが報告されているからです。これは、インターフェロン療法でウイルスが完全に排除できない場合やインターフェロンが使えないで対症療法(肝庇護療法)で治療する場合にもあてはまります。
